数学A
各問では、最初に問題だけを読み、解き終えてから折りたたみの「解答」で式の流れを確認できます。難易度と所要時間は演習の目安です。
第1問
問題
次の値の1の桁の数を求めよ。
\[ \left\lfloor \frac{10^{20000}}{10^{100}+3} \right\rfloor \]
\(X=10^{100}\) とおく。\(X^{200}-(-3)^{200}\) は \(X+3\) で割り切れるので、整数
\[ N=\frac{X^{200}-3^{200}}{X+3} =X^{199}-3X^{198}+\cdots-3^{199} \]
を考える。このとき
\[ \frac{10^{20000}}{10^{100}+3} = N + \frac{3^{200} }{10^{100} + 3} \]
である。さらに \(3^2=9<10\) より
\[ 0<\frac{3^{200}}{10^{100}+3} <\frac{10^{100}}{10^{100}+3}<1 \]
なので、
\[ \left\lfloor \frac{10^{20000}}{10^{100}+3} \right\rfloor = N \]
だから、床関数の値は \(N\) である。最後に \(X\equiv0\pmod{10}\) を使うと、\(N\) の展開では末項以外がすべて \(10\) の倍数になる。したがって
\[ N\equiv-3^{199} =-3^3(3^4)^{49} \equiv-27\equiv3\pmod{10}. \]
よって、求める1の桁は \(\boxed{3}\) である。
第2問
問題
(1)
次の連立方程式の解を \((x,y)\) として、 \(z=x+yi\) とおく。
\[\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} \dfrac{x}{x^2+y^2}=1 \\ -\dfrac{y}{x^2+y^2}=1 \end{array} \right. \end{eqnarray}\]
次の等式を示せ。
\[ z^{-1} = 1 + i \]
(2)
次の4つの集合を考える。
\[\begin{align*} A &= \left\{ (x,y): x^2 - y^2 = \frac{x}{x^2+y^2} +1 \right\} \\ B &= \left\{ (x,y): 2xy = -\frac{y}{x^2+y^2} \right\} \\ C &= \left\{ (x,y): x^3-3xy^2 = 1+x \right\} \\ D &= \left\{ (x,y): 3x^2y-y^3 = y \right\} \end{align*}\]
この時、 \(A \cap B = C \cap D\) であることを示せ。
(1)
\(z=x+yi\) なので、\(z\neq0\) のとき
\[ z^{-1}=\frac{1}{x+yi} =\frac{x-yi}{x^2+y^2} =\frac{x}{x^2+y^2}-i\frac{y}{x^2+y^2}. \]
連立方程式の2式を代入すると、実部も虚部も \(1\) となる。よって
\[ \boxed{z^{-1}=1+i} \]
である。
(2)
\(z=x+yi\) とおくと、
\[ z^2=(x^2-y^2)+2xyi, \qquad z^{-1}=\frac{x}{x^2+y^2}-\frac{y}{x^2+y^2}i. \]
したがって、\(A\) と \(B\) の条件を同時に満たすことは
\[ z^2=z^{-1}+1 \]
と同値である。分母があるため、このとき \(z\neq0\) であり、両辺に \(z\) を掛けて
\[ z^3=z+1 \]
を得る。一方、
\[ z^3=(x^3-3xy^2)+(3x^2y-y^3)i \]
だから、この等式の実部と虚部がそれぞれ \(C,D\) の条件である。逆に \(z^3=z+1\) を満たす \(z\) は \(z=0\) ではないので、\(z\) で割れば \(z^2=z^{-1}+1\) に戻る。よって
\[ \boxed{A\cap B=C\cap D} \]
が示された。
第3問
問題
\(A,B,C\) を \(xy\) 平面上の点として、それぞれの座標は整数値であるとする。この時、次の不等式が成り立つのは、3点が正方形の頂点であるとき、その時に限ることを示せ。
\[ (|AB|+|BC|) ^2 < 8 \cdot [ABC] + 1 \]
ただし、 \(|AB|\) は \(A,B\) の距離、 \([ABC]\) は \(A,B,C\) で張られる三角形の面積を表す。
模範解答を受領後に追記します。
第4問
問題
下図のように、お互いの中心が \(r\) だけ離れた、半径 \(r\) の2つの円がある。

この時、片方の円に、円の中心同士の結ぶ線に対して対称的な位置にある点を \(A,B\) とする。また、 \(P\) はもう片方の円の周上にあるとするとき、次の不等式を示せ。
\[ PA^2 + PB^2 \geq 2r^2 \]
点 \(A,B\) がある円の中心を \(O\)、\(AB\) の中点を \(C\) とする。中線定理より
\[ PA^2+PB^2=2PC^2+2AC^2. \]
二つの円の中心間距離も半径も \(r\) なので、\(O\) はもう一方の円周上にある。図の配置では、もう一方の円周上の点のうち \(C\) に最も近い点が \(O\) であるから
\[ PC\geq OC. \]
また \(C\) は弦 \(AB\) の中点なので \(OC\perp AB\) であり、直角三角形 \(OCA\) について
\[ OC^2+AC^2=OA^2=r^2 \]
が成り立つ。以上から
\[ PA^2+PB^2 \geq2OC^2+2AC^2 =2r^2. \]
等号は \(PC=OC\)、すなわち \(P=O\) のときに成立する。
第5問
問題
100円と50円と10円の硬貨がそれぞれ無限にあるとする。この時、合計が 1,000円になるように硬貨を選ぶ方法は何通りあるか求めよ。ただし、0枚の場合も含むものとする。
100円玉、50円玉、10円玉の枚数をそれぞれ \(a,b,c\) とすると、
\[ 100a+50b+10c=1000 \]
すなわち
\[ 10a+5b+c=100 \]
である。\(a\) を \(0\leq a\leq10\) の範囲で固定すると、\(b\) は
\[ 0\leq b\leq \left\lfloor\frac{100-10a}{5}\right\rfloor=20-2a \]
の整数を自由に取れ、\(c=100-10a-5b\) は一意に決まる。したがって、固定した \(a\) に対する方法数は \(21-2a\) 通りである。
\[ \sum_{a=0}^{10}(21-2a) =11\cdot21-2\cdot\frac{10\cdot11}{2} =121. \]
よって、答えは \(\boxed{121\text{通り}}\) である。