1
難易度 | 所要時間 |
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B | 30分 |
問題
\(\{ a_n \}\) を \(1, 2, 3, \cdots , n\) を任意に並び替えた数列とする。この時、次の式の取りうる最大値を求めよ。
\[ a_1a_2 + a_2a_3 + \cdots + a_{n-1}a_n + a_na_1 \]
解答
数列の中にある連続した2つの整数のセットを2つ \(a, b\) と \(c, d\) を考える。この時、 \(a,b\) を固定して考えた時、 \(c,d\) の入れ替えで、どのような時に式の値が最大になるかを考える。
\[ (ab+bc+cd) - (ab+bd+ca) = (b-c)(a-d) \geq 0 \]
と言うわけで、 \(b>c,\; a>d\) のような式が成り立つような状態で最大になるとわかる。
このような状態を数列全体で達成することを考える。
$$
$$
2
難易度 | 所要時間 |
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A | 20分 |
問題
\(x>0\) として、次の式の最小値を求めよ。
\[ \frac{\left(x+\frac{1}{x}\right)^6 - \left( x^6 + \frac{1}{x^6} \right) - 2 }{ \left( x + \frac{1}{x} \right)^3 + \left( x^3 + \frac{1}{x^3} \right) } \]
解答
与えられた式は次のように変形できる。
\[ \left( x + \frac{1}{x} \right)^3 - \left( x^3 + \frac{1}{x^3} \right) = 3 \left( x + \frac{1}{x} \right) \geq 6 \]
2
難易度 | 所要時間 |
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A | 15分 |
問題
放物線 \(y=x^2\) 上に3点 \(A, B, C\) があり、 \(\triangle ABC\) は \(\angle C\) が直角となる直角三角形である。このとき、 \(A, B\) の座標をそれぞれ \((a, a^2), (b, b^2)\) とするとき、 \(a, b\) の条件を求めよ。
解答
\(C(t,t^2)\) とすると、 \(AC, BC\) の傾きはそれぞれ \(a+t, b+t\) となる。これらの傾きが直交するとき、 \((t+a)(t+b) = -1\) の条件が成り立つ。
この式が \(t \neq a, b\) となるような解が存在するための必要十分条件を考える。
まず、第一必要条件は判別式でわかり \(|a-b|\geq 2\) であり、第二必要条件は \(t \neq a, b\) となることだが、これについて考える。
\(a, b\) が解であるのはあり得ない。これは解と係数の関係から明らかである。
\(a\) が重解であるとすると、 \((a,b) \neq (\mp 1/2,\pm 3/2)\) となる。
\(b\) が重解であるとすると、 \((a,b) \neq (\mp 3/2,\pm 1/2)\) となる。
以上は十分条件ともなる。
3
難易度 | 所要時間 |
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B | 20分 |
問題
\(n \in \mathbb{Z}_{>0}\) の時、次の式が成り立つことを示せ。
\[ \frac{1}{\sin 2x} + \frac{1}{\sin 4x} + \cdots + \frac{1}{\sin 2^nx} = \frac{1}{\tan x} - \frac{1}{\tan 2^nx} \]
ただし、左辺や右辺が定義できないような \(x\) については考えない。
解答
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難易度 | 所要時間 |
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B | 20分 |
問題
次の連立方程式を解け。
\[\begin{equation} \left\{ \, \begin{aligned} x^2 + x - 1 &= y, \\ y^2 + y - 1 &= z, \\ z^2 + z - 1 &= x. \\ \end{aligned} \right. \end{equation}\]
解答
\(x,y,z\) のうち一つでも \(-1, 1\) ならば、その他もすべて \(-1, 1\) となる。これは容易にわかるが、これ以外に解がないことをこれから示す。
\(f(t) = t^2 + t - 1\) とすると、 \(t>1 \Rightarrow f(t)>t\) により、 \(x>1 \Rightarrow y>x \Rightarrow z>y \Rightarrow x>z\) となる。これは矛盾である。
同様にして、 \(x<-1\) として考えると、\(f(t)\geq -5/4\) から、 \(x \in [-5/4, -1)\) となり、 \(y \in (-1, 0), z \in [-5/4, -1), x \in (-1, 0)\) となっていき、矛盾する。
また、 \(x \in (-1, 1)\) として考えると、 \(f(t)\) は \((-1,1)\) で単調増加だから、 \(x>y>z>x\) となり、矛盾する。
以上により、 \((x,y,z) = (1,1,1), (-1,-1,-1)\) とわかる。
5
難易度 | 所要時間 |
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B | 20分 |
問題
\(a,b,c\) が共に正のとき、次の不等式を示せ。
\[ \frac{1}{a} + \frac{1}{b} + \frac{1}{c} \leq \frac{a^8 + b^8 + c^8}{ a^3b^3c^3 } \]
解答
\[\begin{align*} 8a^2b^3c^3 &\leq 2a^8 + 3b^8 + 3c^8 \\ 8a^3b^2c^3 &\leq 3a^8 + 2b^8 + 3c^8 \\ 8a^3b^3c^2 &\leq 3a^8 + 3b^8 + 2c^8 \end{align*}\]
これらの式を足し合わせてから両辺を \(a^3b^3c^3\) で割ると、与式が得られる。
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難易度 | 所要時間 |
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B | 25分 |
問題
一辺の長さが \(1\) の立方体 \(ABCD-EFGH\) を考える。三角錐 \(A-HFG\) と三角錐 \(C-HFE\) の共通部分の体積を求めよ。
解答
\(EFGH\) の高さを \(0\) として、\(ABCD\) の高さを \(1\) とするとき、求める共通部分の高さ \(z\) における面積 \(S\) は
\[ \begin{equation} S= \left\{ \, \begin{aligned} -5z^2 +z^2 \quad &(0 \leq z \leq 1/3) \\ (1-2z)^2 \quad &(1/3 \leq z \leq 1/2) \end{aligned} \right. \end{equation} \]
となる。これを積分すると、求める体積は \(1/18\) となる。
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難易度 | 所要時間 |
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A+ | 20分 |
問題
実数 \(\theta, \phi, \psi\) に対して、次の条件が成り立っている。
\[\begin{aligned} &\theta + \phi + \psi = \frac{\pi}{4} \\ &\tan \theta + \tan \phi + \tan \psi = 1 \end{aligned}\]このとき、 \(n\in \mathbb{Z}_{\geq 0}\) として、次の等式が成り立つことを示せ。
\[ \tan ^{2n+1} \theta + \tan ^{2n+1} \phi + \tan ^{2n+1} \psi = 1 \]
解答
\[ \tan ( \theta + \phi + \psi ) = \frac{\tan \theta + \tan \phi + \tan \psi - \tan \theta \tan \phi \tan \psi}{1 - \tan \theta \tan \phi - \tan \phi \tan \psi - \tan \psi \tan \theta} = 1 \]
ここで、
\[ x=\tan \theta, y=\tan \phi, z=\tan \psi \]
として、
\[\begin{aligned} \frac{x+y+z-xyz}{1-xy-yz-zx}=1\\ x+y+z-xyz=1-xy-yz-zx\\ (x-1)(y-1)(z-1)=0 \end{aligned}\]となるので、 \(x=1, y=1, z=1\) のいずれかが成り立つ。 \(x=1\) として、 \(y+z=0\) となるので、 \(y=-z\) となる。これを代入すると、
\[ \tan ^{2n+1} \theta + \tan ^{2n+1} \phi + \tan ^{2n+1} \psi = 1^{2n+1} + y^{2n+1} + (-y)^{2n+1} = 1 \]
とわかる。
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難易度 | 所要時間 |
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B | 20分 |
問題
全ての \(x \in \mathbb{R}\) について、 \(F(x) \geq 0\) となる多項式関数 \(F\) を考える。このとき、次の式を満たす多項式関数列 \(\{ f_n \}\) が存在することを示せ。
\[ F(x) = \sum_{i=1}^{n} \{f_i(x)\}^2 \]
ただし、関数列とは、ただ関数を並べただけのもので、 \(f_i\) は全て同じでも、すべて異なってもよく、また、関数列の長さ、つまり \(n\) もどんな値でも構わない。
解答
\(F\) を因数分解すると、 \(F\) が常に正ということから、 \(F\) の実根を \(\{a_n\}\) として、
\[ F(x) = A\prod_{i} (x-a_i)^2 \prod_{j} (x^2+b_jx+c_j) \]
という形で因数分解が可能である。また、
\[ x^2+b_jx+c_j = (x-z_j)(x-\overline{z_j}) \]
と因数分解が可能である。ところで、
\[ G(x) + iH(x) = \prod_{j} (x-z_j) \]
とすることによって、
\[ G(x) - iH(x) = \prod_{j} (x-\overline{z_j}) \]
となるので、
\[\begin{aligned} F(x) &= A \prod_{i} (x-a_i)^2 (G(x) + iH(x)) (G(x) - iH(x)) \\ &= A \prod_{i} (x-a_i)^2 (G(x)^2 + H(x)^2) \\ &= \left(\sqrt{A} \prod_{i} (x-a_i)G(x)\right)^2 + \left(\sqrt{A} \prod_{i} (x-a_i)H(x)\right)^2 \end{aligned}\]となり、題意が満たされる。
別解
\(F\) を因数分解すると、 \(F\) が常に正ということから、 \(F\) の実根を \(\{a_n\}\) として、
\[ F(x) = A\prod_{i} (x-a_i)^2 \prod_{j} (x^2+b_jx+c_j) \]
という形で因数分解が可能である。また、
\[ x^2+b_jx+c_j = (x-d_j)^2 + e_j^2 \]
と平方完成が可能であるので、
\[ \prod_{j} ((x-d_j)^2 + e_j^2) = \sum_k \{g_k(x)\}^2 \]
のような形の展開をすることができて、
\[ f_i(x) = \sqrt{A} \prod_{j} (x-d_j)g_i(x) \]
とすることで、題意が満たされる。
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難易度 | 所要時間 |
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B | 20分 |