数学III

Math
Author

Serika Yuzuki

Published

December 14, 2023

\(\require{physics}\)

各問では、最初に問題だけを読み、解き終えてから折りたたみの「解答」で式の流れを確認できます。難易度と所要時間は演習の目安です。

第1問

難易度
B 標準、4段階中2
所要時間
30分目安

問題

\(n\) を正整数として、次の不等式を示せ。

\[ \left( \frac{2n - 1}{e} \right) ^ {\frac{2n-1}{2} } < 1 \cdot 3 \cdot 5 \cdots (2n - 1) < \left( \frac{2n + 1}{e} \right) ^ {\frac{2n+1}{2} } \]

ただしネイピア数 \(e\) のおおよその値は \(2.718\) であることは示さなくとも良い。

模範解答を受領後に追記します。

第2問

難易度
A 取り組みやすい、4段階中1
所要時間
15分目安

問題

直角双曲線 \(x^2-y^2=2\) 上の異なる3点を頂点とする三角形の垂心の存在範囲を求めよ

座標軸を \(\pi/4\) 回転し、回転後の座標を \((X,Y)\) とする。

\[\begin{equation} \left \{ \, \begin{aligned} x &= X \cos \frac{\pi}{4} + Y \sin \frac{\pi}{4} \\ y &= -X \sin \frac{\pi}{4} + Y \cos \frac{\pi}{4} \end{aligned} \right. \end{equation}\]

\(x^2-y^2=2\) へ代入すると

\[ XY=1 \]

となる。3点を \(A(a,1/a), B(b,1/b), C(c,1/c)\) とする。ただし \(a,b,c\) は相異なる非零実数である。

\[ BC: x + bcy = b + c \]

であり、その傾きは \(-1/(bc)\) である。したがって、\(A\) を通る \(BC\) の垂線は

\[ A_\perp : abcx - ay = a^2bc - 1 \]

となる。同様に、\(B\) を通る \(AC\) の垂線は

\[ B_\perp : abcx - by = b^2ac - 1 \]

となる。2式を引くと \(Y=-abc\)、これを戻すと \(X=-1/(abc)\) なので、垂心は

\[ H=\left(-\frac1{abc},-abc\right) \]

である。確かに \(X_HY_H=1\) だから、垂心も双曲線 \(XY=1\) 上にある。

逆に \(XY=1\) 上の任意の点 \((t,1/t)\) に対し、\(abc=-1/t\) となる相異なる非零実数 \(a,b,c\) を選べるため、その点を垂心として実現できる。よって回転前の座標へ戻した存在範囲は

\[ \boxed{x^2-y^2=2\text{ の全体}} \]

である。

第3問

難易度
B 標準、4段階中2
所要時間
20分目安

問題

\(n \in \mathbb{Z}_{>0}\) として、次の条件を満たす複素数 \(z\) を考える。

\(z\) および \(z^n + 1\) の絶対値が共に \(1\) である。

このとき、条件を満たす相異なる \(z\) 全ての和と積を求めよ。

模範解答を受領後に追記します。

第4問

難易度
A 取り組みやすい、4段階中1
所要時間
20分目安

問題

\(z \in \mathbb{C}\) として、 \(z+\frac{4}{z}\) が実数であるとする。このとき、次の式を満たす \(z\) が存在するような \(k \in \mathbb{R}\) の値の範囲を求めよ。

\[ k\left( z + \frac{4}{z} + 8 \right) = i \left( z - \frac{4}{z} \right) \]

\(z\) が実数の場合、等式の左辺は実数、右辺は純虚数である。したがって両辺が \(0\) でなければならず、\(z-4/z=0\) より \(z=\pm2\)、さらに元の式から \(k=0\) となる。

次に \(z\) が実数でない場合を考える。\(z=re^{i\theta}\ (r>0)\) とおくと

\[ \operatorname{Im}\left(z+\frac4z\right) =\left(r-\frac4r\right)\sin\theta=0. \]

\(\sin\theta\neq0\) なので \(r=2\) である。これを与式へ代入すると

\[ k\left( 4 \cos \theta + 8 \right) = i \left( 4i \sin \theta \right) \]

となるわけだが、

\[ k = - \frac{\sin \theta}{\cos \theta + 2} \]

となる。\(g(\theta)=\sin\theta/(2+\cos\theta)\) とおくと

\[ g'(\theta)=\frac{2\cos\theta+1}{(2+\cos\theta)^2}. \]

したがって極値は \(\cos\theta=-1/2\) で取り、\(|g(\theta)|\leq1/\sqrt3\) である。端の値も \(\sin\theta=\pm\sqrt3/2\) のとき実現する。\(k=-g(\theta)\) だから、実数の場合に得た \(k=0\) も含めて

よって答えは

\[ \boxed{k \in \left[ -\frac{1}{\sqrt{3} }, \frac{1}{\sqrt{3} } \right]} \]

第5問

難易度
A 取り組みやすい、4段階中1
所要時間
10分目安

問題

極限値 \[ \lim _{x \rightarrow+\infty}\left(\frac{\sqrt[x]{a}+\sqrt[2 x]{b}}{2}\right)^{2 x} \] を求めよ。ただし \(a, b\) は正の定数とする。

模範解答を受領後に追記します。

第6問

難易度
B 標準、4段階中2
所要時間
20分目安

問題

  1. \(x > 0,\; 0<\theta<\frac{\pi}{2}\) とする。

\[ \frac{e^x+e^{-x}}{2} = \frac{1}{\cos \theta} \]

となるとき、 \(\dv{x}{\theta}\) を求めよ。

  1. 次の広義積分を求めよ。

\[ \int_{-\infty}^{\infty} \qty( \frac{2}{e^x+e^{-x}} )^n \dd x \]

ただし、\(n\) は正整数とし、この積分が収束することは示さなくとも良い。

  1. 与式は \(\cosh x=\sec\theta\) である。両辺を \(\theta\) で微分すると

\[ \sinh x\dv{x}{\theta}=\sec\theta\tan\theta. \]

\(x>0\)\(0<\theta<\pi/2\) だから

\[ \sinh x =\sqrt{\cosh^2x-1} =\sqrt{\sec^2\theta-1} =\tan\theta. \]

よって

\[ \boxed{\dv{x}{\theta}=\sec\theta=\frac1{\cos\theta}} \]

\(a \to \infty\) を考えるので、\(a>0\) とする。

\[ \int_{-a}^a \left(\frac{2}{e^x + e^{-x}}\right)^n dx = 2\int_{0}^a \left(\frac{2}{e^x + e^{-x}}\right)^n dx \tag{5} \]

ここで \(\operatorname{sech}x=1/\cosh x\) と書けば、

\[ e^x + e^{-x} = 2\cosh x \]

を用い、\(x=0\) のとき \(\theta=0\), \(x=a\) のとき \(\theta = \theta_a\) として変数変換すると、

\[ (5) = 2\int_{0}^{\theta_a} \cos^{n-1}\theta \, \dd\theta \]

極限 \(a\to\infty\) のとき \(\theta_a \to \pi/2\) だから、

\[ \int_{-\infty}^{\infty}\operatorname{sech}^n x\,\dd x =2\int_0^{\pi/2}\cos^{n-1}\theta\,\dd\theta. \tag{6} \]

一般に \(J_m=\int_0^{\pi/2}\cos^m\theta\,\dd\theta\) とおく。部分積分により

\[ J_m=\frac{m-1}{m}J_{m-2}, \qquad J_0=\frac\pi2,\quad J_1=1 \]

を得る。(6) は \(2J_{n-1}\) だから、\(n\) の偶奇ごとに整理すると

\[ \boxed{ \int_{-\infty}^{\infty}\left(\frac2{e^x+e^{-x}}\right)^n\dd x = \begin{cases} \displaystyle \pi\frac{(2m)!}{2^{2m}(m!)^2},&n=2m+1\ (m\geq0),\\[8pt] \displaystyle 2\frac{(2m-2)!!}{(2m-1)!!},&n=2m\ (m\geq1) \end{cases}} \]

となる。特に \(n=1\) では \(\pi\)\(n=2\) では \(2\) である。

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